SEIKO
Seikomatic Slimdate 3
組み直しましたセイコーの8305Bの機械です。

動きは上々、錘は側付け後につけるとしまして、先に文字板を組みました。

文字板生地はソフト旭光、肉眼では分からないほど上品な目付が柔らかい反射光を放っています。棒字とカレンダーの枠は植えもので、針を含め、自動巻きのゴツさを感じさせない精細な作りです。
プラ風防は割れているので交換しましょう。

カーブ形状が若干違いますけれども、ここは新しいほうが良いと判断しました。
拭き掃除をした金メッキ側に機械を収納。

回転錘(ローター)をつけまして、連結確認。

これでヘッド完成です。

やはり風防がきれいになると若返りが顕著ですねえ、文字板が汚れていなかったのが幸いして、とてもクリアーな印象になりました。
バンドは、明るめのイメージで茶色の牛革をつけました。

完成です。セイコーマチック“スリムデート”。

りゅうずをスッポリ埋め込んでいるから、細い縁がスッキリとスリムです。
本日の控え
Seikomatic Slimdate cal.8305B 30石 1964年 当時価格14,500円 でした。

石数なんと30石、自動巻き隆盛の頃は、石数が多いほど高い時計であるという、何とも素人に判りやすい都市伝説が信じられていたため、どうでも良いところに石を埋めて数を増すような何ともチンケな発想の機械もありましたが、これは別、時計24石、自動巻き6石という、れっきとした30石です。
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- 2022/11/16(水) 11:03:16|
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SEIKO
Seikomatic Slimdate 2
諏訪精工のcal.8305Bの機械です。

手巻きの基礎に自動巻きを増築したタイプではない、当初より自動巻き用として設計された機械です。
まずテンプを取りましょう。

続いて自動巻きブロックの受けを開けてみましょう。

段違いのクラッチ、径の違う二枚が重なった歯車、回転錘が左右どちらに回っても巻き上げ方向に作用する両回転巻きです。
時計の方も開けてみましょう。

開けてみると時計はシンプルなものの、自動巻き部分が思った以上に複雑です。ここで本来ならば、この自動巻き機構を詳しく取り上げるべきところでしょうが、意欲も薄らいできておりまして、パッパと部品を取ってしまいました。

この棒バネでロックされた糸巻状の車が気になるんですが、結局用途を解明せず、部品を洗って組み直しました。

動きは上々、次回は組み立て完成です。
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- 2022/11/09(水) 10:45:38|
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SEIKO
Seikomatic Slimdate 1
骨に回ってきた癌が神経に悪さをしてまして、右手が痺れてきました。いよいよ時計いじりもこれまでか。
と言いつつ持ち出したジャンクはこれ。

セイコーマチック“スリムデート”です。外径36.5mmのオーソドックスなツノアシ側です。
裏側です。

金メッキ裏蓋に製番だけが残っています。1964年製とみられます。
りゅうずが埋め込まれていますね。

自動巻きであることの識別をデザイン面から主張しているのでしょうか。
裏蓋を開けました。

開けたら内面に刻印がありました。
中です。

無駄のない薄型の自動巻きですねえ、錘を取りましょう。

上の写真は錘の裏側、ベアリングで本体が回ると歯車が自動巻き輪列を回す仕組みです。
錘を取られた機械の姿。

自動巻き機構が時計と並列に組み込まれた、薄型思想の設計です。
ここにネジがあります。

この機械は手巻き機能が無いので、代わりというか、このねじをマイナスドライバーで回すことによってゼンマイを巻き上げることができます。矢印方向に10回回すと24時間稼働しますというガイド刻印付きです。
巻真を抜きます。

解除はプッシュ式です。
ベゼルを開けましょう。

この時計は上から中身を取り出す上開け式です。

上の写真は取り出した中身、文字板を取ります。

スリムデートの名の通り、カレンダー付です。りゅうず一段引きでカレンダー早送り、二段引きで時刻合わせ、ゼロ位置では何も起きません。埋まっていて回せませんからね。
こちらは時計側。

次回開けてみましょう。
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- 2022/11/02(水) 10:27:55|
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CITIZEN Turkey 3
昭和の国産時計、シチズンターキーの機械cal.6501を組み直したところです。

まだ錘はつけていませんけれども、自動巻き手巻き両用なのでただ今手巻きで稼働させております。
文字板と針をつけました。

全面タテ目付に銀メッキ、外周を濃紺のボカシ塗装で仕上げられています。時字はかなり高さのある植え字で、溝に樹脂を入れて一緒にカットしてあります。夜光ではありません、白樹脂です。針も共々太く短く、強いコントラスト、スポーティなイメージで構成されています。
側はアルミ合金のKS62、シチズン名称でいうブラッキー側。

ボウリングボールのイメージそのままですねえ(笑)。ガラスが割れていたので交換しました。
側に機械を収めて、錘を取りつけ連動を確認。

蓋をして完成です。

シチズンターキー、ヘッド完成です。

ガラスを交換したので、見え方もスッキリクリアーになりました。
バンドは黒のスムースカーフをつけました。

シチズンターキー、バンドをつけるとアシ無しケースの効果がより際立ってまん丸に見えますね。
それと文字板、全体が黒づくめと思いきや、なかなかオシャレなダークブルーのボカシ文字板です。ところがこのボカシですけれども、生地目付がタテペーパーなのでちょいと面白いんです。タテペーパーということは、文字板を正面から見て縦方向に細かい溝が挽かれているという事で、そこに塗料が流れ込んでいるわけです。ですから真正面から見ると、タテの目付も下地の銀メッキもボカシの塩梅も全て見えますが…

これを横に寝かせますと、溝の塗料が重なるため、ボカシはおろか、全体が黒文字板に見えてくるのです。

ね?印象が変わりますでしょう?オシャレ感が消えて硬派なブラックダイヤルになりました。ボカシ文字板でよく用いられる生地目付は放射目(旭光目ともいう)で、その場合はどこから見ても同じように美しく、という効果を狙っているので変化はない。しかし、タテもしくはヨコ目付の場合は、その塗装膜の影響で色の濃さや表情が変わって見えるという特徴があるので、こういうこともひとつ時計選びの参考になさってはいかがでしょうか。
本日の控え
CITIZEN コスモスターV2“Turkey”cal.6501 1972年 当時価格15、000円 でした。

1972年といえばボウリングブーム真っ盛りで、テレビでは中山律子さんと須田開代子さんのライバル対決にお茶の間は釘付け。実家の近所にその名もボウル72〈セブンツー〉というボウリング場が開店して、いけば何時間待ちの大盛況でした。まだインベーダーもない時代、ゲームコーナーにはピンボール、ジュークボックス、ものすごく熱いポテトの自販機なんかがありましてね、中でも妙に気になっていたのが、ライターとかパンティーみたいな大人グッズを落とすクルクル回る変なゲーム、ありゃ何だったんだ?
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- 2022/10/26(水) 10:48:16|
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CITIZEN Turkey 2
国産時計のたのしみ、シチズンターキーをいじっております。ターキーと申しましても水之江瀧子ではありません。ボウリング由来のターキーですね。
側から取り出した機械がこちら、キャリバー6501です。

日付曜日付きの自動巻き、地板径φ23.7mmの中型機です。
錘とテンプを取りましょう。

見たところ、本機は手巻き機械に自動巻き装置を追加したものではなく、時計と自動巻き装置を一枚受けで支えている一体型なので迂闊に受けを緩めたりすると残りテンションで爆発することがあるので慎重にまいりましょう。
明ける前に自動巻きの仕組みを拝見。

針で刺している車が回転錘の運動を受けて左右に回り、下に組み込まれた二個のクラッチ車を伝って巻き上げにつながるという仕組みです。錘が左右どちらに回っても大きな角穴車は片方に回るという、両回転巻き上げ方式です。
ここで文字板を外しましょう。

あら、文字板アシ止めねじが一本足りなかったようです。ここは代わりを探しましょう。
文字板を外したところです。

文字板下はあまりいじりたくないのですが、曜日の切り替えが悪いのでちょっと見てみよう。

針で刺している曜板を定位置に戻すレバーとばねの戻りが悪かったようです。
時計側にまいりましょう。

ゼンマイのテンションが残っているといけないので角穴車から外しましょう。

角穴車のネジは三本溝の逆ねじでした。
つづいて隣の丸穴車。

自動巻きの伝え車を取りまして…

一枚受けを開けましょう。

金色が時計輪列、白色系が巻き上げ輪列です。
車を取りまして…

アンクルも取りましょう。

二番を支えている中受けを開けまして…

解体終了とします。

真ん中の筒カナは面倒なのでいつもそのままです。本当は全部バラさなきゃだめですけれども、ここまで見られれば私はオッケーです。
部品を洗って組み直し。

カレンダーも直りました。

次回は完成です。
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- 2022/10/19(水) 10:40:26|
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