セイコーシスターズ 4
懐かしの国産女性用腕時計のリフォーム控え、SEIKO版の最終回は、こちらの三姉妹です。

1960~70年代と思しきレディスブレスレットです。
時計に興味の無い方々には、どれも同じに見えるかもわかりませんが、ちょっと時計をかじった者から見ますと長女、次女、三女に見えてくるから面白いのです。へえ?どのように?気になるところですが、そこは本欄のおしまいにお話しすることにいたしましょう。
それではまず、いつものように外装をばらしますんですが、その前にひとつひとつの出自を推理してまいります。
左の細ブレスから行きましょう。

こちらがクリーニング前の細ブレスです。ベルトは、H型の駒と一本中駒を交互につないだシンプルな構造です。
そして文字板には“Seiko Solar”とありますから、
前々回のチューリップちゃんの普及番でしょうか?裏面を見ましょう。

製造連番“9702548”頭が“9”ですから、1969年か1979年?どちらでしょうか?
そしてムーブメントがこちら

キャリバー10C(21石)、お!これはセイコーシスターズ第一回で控えた
ラセンブレスと同じです。ということは1969年と推理してよさそうです。
お次は中細のブレスちゃん。

まずバンド構造に触れましょう。初めて控えるタイプです。角切りの材料に二本のスリットと二本の歯を出してピンでつなぐ、“二本櫛歯”というタイプです。
それではいつ頃のものか?

製造連番“1N2859”これは1971年製とみてよさそうです。ムーブメントを見てみましょう。

キャリバー11A(17石)、上のと同じく、セイコーシスターズ1で控えた
ラセンブレス11A(21石)の普及版と思われます。石数が絞られてますから、普及版とみました。
そしてこちら

こちらも二本櫛歯の幅広タイプ。
年代は?

製造連番“0D0435”この頭の“0”は、下の型番から察するに1970年製とみてよさそうです。なぜなら本機種11系は1965年以降のものとされているからです。
どれどれ?

ね?キャリバー11A(21石)、これもセイコーシスターズ1で控えた
ラセンブレス1971年と同じです。
それでは外装をばらしまして、超音波にかけました。

うわー出るわ出るわ、もくもくと煙が立ち昇るように汚れが浮き上がってまいります。
このあとすすいで、数日間乾燥させまして組み立てましたらこうなりました。

きれいになりましたでしょう?セイコー三姉妹。左から長女、次女、三女とならべてみました。
左のモデルはベーシックな時計のシルエットを持ち、ベルトも幅広、つや消しに近い細かな目付けを全体に纏っているところから、光の反射は極めて細かく上品、つまり落着いたイメージを持っているので長女、反対に一番右の細ブレスは、ヘッドに比べてベルトが細く華奢、光の反射はキラキラと可愛く、ケース天地の石飾りも大胆で、幼さを感じさせるので三女。まん中は、丁度その中間、落ち着きと幼さがバランスよく調和していて次女。いかがです?そう見えてきませんか?
というわけで本日の控え。
左
SEIKO cal.11A 21石 1970年中
SEIKO cal.11A 17石 1971年右
SEIKO solar cal.10C 21石 1969年となります。上で申し述べたデザインのイメージ作りは私の主観でして一般論ではありません。時計は個々人が自由に鑑賞しましょうね。
さて、四回にわたって控えてまいりましたセイコーシスターズクラシック、一旦ここで区切りをおつけいたします。

お嬢様がた、お好みはどれですかな?
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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用
- 2015/01/28(水) 12:17:37|
- 時計
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| トラックバック:0
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| コメント:2
アンティークの自動巻き時計が大好きです。丁寧にお掃除してもらってピカピカになる時計を見て感動しました!
これは、趣味でされてるのですか?
見ててとてもうっとりします^ ^
- 2016/09/11(日) 23:55:40 |
- URL |
- たかこ #-
- [ 編集 ]
たかこ様
あたたかいコメントありがとうございます。
見捨てられていたものが再び輝きを取り戻す瞬間がうれしくて、趣味であれこれいじっております。
ジャンク品として捨て値で売られている時計を集めてしまうため、私の元には順番待ちがまだうじゃうじゃあるので、暇を見て更新してまいりたいと思います。
ご覧いただき有難うございます。
- 2016/09/12(月) 09:38:59 |
- URL |
- 柊horii #-
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