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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

時計道楽 73

CITIZEN クオーツデジタルマルチアラーム PW 〈パラウォーター〉

 いつもお世話になっているお得意先の木村さんが、また面白いものを見せてくださいました。

1-お預かりしたデジタル時計

 シチズンのデジタル時計です。
 まず一目見て“CITIZENですか!”と声をあげてしまいました。そんなに珍しいか?いえシチズン製ということではなくて“CITIZEN”表記に目を剥いたのであります。と申しますのも1970年代にクオーツが登場し、追ってデジタル時計が開発されます。やがて量産が波に乗りますと輪列や針組立の要らないデジタルはどんどん安くなってゆき、セイコー、シチズンといった大手メーカーはセカンドブランドで扱うようになります。つまりセイコーでは“ALBA〈アルバ〉”、シチズンでは“VEGA〈ベガ〉”といった名前で市場に爆発展開されました。ですから、ここに“VEGA”と書いてあったらそれほど驚きませんでしたが“CITIZEN”と書いてありましたので、これはもしやデジタル初期の高いヤツ?という風に直感したわけであります。

 裏を見てみましょう。
2-裏の刻印
 状態もまたすこぶる良いですねえ、新品のようです。とてもきれいにお使いになっておられます。
 製造連番が“00403786”、頭の数字が“0”、それが西暦の一桁目を表しているとすると、1970?80?90? 1970年にはまだこの世にありませんし、1990年には“VEGA”になっていますから、この品物は1980年製と読むのが妥当でしょう。ということでその辺を当たってみたら1980年に発売されていました。当時価格で18,000円、やはり高いものでした。

 それでは木村さんのご了解を得まして、ふたを開けさせていただきました。10気圧防水ですからパッキン付きのスクリュー式になっています。
3-蓋を開けました
 石目のようなシボ(表面の模様)で埋められた暗緑色の樹脂でできた地板(デジタルの場合はこちらを地板というのか?)。

 ムーブを取り出してみました。
 下の写真は表示側です。
4-表示側ムーブ
 1970年代、時計設計者たちは、これまでの時計という姿からは想像のつかない新しい形を生むことになりました。

 そして電池側。
5-ムーブ電池側
 ここをみてフと気が付いたのが、金色の大きなマイナスねじです。

 横に“F→”と彫られているという事は、もしかして調速機?
6-調整用ネジ
 昔のデジタルには精度の調速機があったのかと初めて知りました。時刻が遅れがちであれば矢印方向にネジを回すわけですね。やはり単なる電気製品ではなく、時計設計の思想が生きています。

 外装に目を向けましたら一番よく使うモード切り替えのボタンが少々固まっているようです。
7-モードボタンが硬いようです
 押し⇔戻しがうまく行きませんので、ここだけ解体させていただきましょう。

 これがボタンの構成部品です。
8-ボタンの構造
 ケースの内側からボタン軸を差して、戻しパッキン(ゴム)をはめて蓋をし、ねじで止める構造になっています。今回は戻しゴムが経年劣化で割れて開いちゃっておりました。とりあえず代わりが無いのでシリコンを含ませて裏返しにつけたら、どうも調子がよいようです。

 電池を入れて完成です。
9-電池を入れて完成
 カッコいいですねえ、数字で時刻を表示するデジタル時計は1970年代後半、とてもハイテクなものに見えましたっけ。

 バックルもこれまた珍しい。
10-マーク入りバックル
 “CQマーク”入りのバックルです。このマークは“Ctizen Quartz”の頭文字で水晶の六角形がモチーフになっているそうです。

 おしゃれなボタンの色。
11-ボタンの色がいかしてます
 色に意味はなさそうですが、なかなかイカしてます。
 ただ今では、デジタル=安物みたいな先入観に囚われ、こういうものをじっくり味わってきませんでしたが、こうしてみますと昭和の構造美を堪能することができます。そして当時の時計デザイナーはこれまでの文字板とは異なる、全く新しい表示の仕方を要求されることになり、表示レイアウトの善し悪しで人気がわかれる責任を負うことになるわけです。そしてほどなくアナログとデジタルが組み合わさった、コンビネーションクオーツが登場してメンズウオッチの主役となる時代が到来するのです。
12-シチズンマルチアラームⅢ
 本日の控え シチズン クオーツデジタルマルチアラーム PW 〈パラウォーター〉 cal.9240A 1980年 でした。
 3つのアラームと1/100秒ストップウオッチがついた、多機能時計です。カレンダーは残念ながら2009年までとなっておりますので、閏年から何年目かを基準に合わせて使うしかありませんね。




 …と、ここで、ちょっとお遊びをしてみました。

 見切板(表示を囲む表板)の色に合わせた茶色の革バンドをつけてドレス仕立てにしてみたら…
13-革バンドをつけてみた
 なかなかイカしてますでしょう?
 機械式時計ばかり持てはやされている今日、こんなのを着こなしている人に出会ったら“この人は相当な時計通だな”と思わずにはいられないでしょう。




 

 

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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2015/06/03(水) 12:13:38|
  2. 時計
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

わわわ!、なーるほど、内部はこのようになっているのですね!ボタンがねじ留めになっているところなんて、高級感ありますものね。
  1. 2015/06/08(月) 15:35:11 |
  2. URL |
  3. キムラ #-
  4. [ 編集 ]

キムラ様

お世話になっております。
ただ今では、ムーブメントのスイッチバネの戻りに頼ったボタンが主流となっていますが、昔はボタン一つ一つに戻し機能がついていたんですね。手の込んだ構造です。しかもボタンの頭に埋まったネジが飾りではなく、ちゃんと機能しているところがカッコイイではありませんか。なんでも見てくれだけではいけませんもんね。
  1. 2015/06/08(月) 17:23:48 |
  2. URL |
  3. 柊horii #-
  4. [ 編集 ]

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怪獣、時計に小料理飲酒、好きなことを好きなだけ、やりたい放題の道楽おやじ。

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