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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

鑑賞記 15

GODZILLA 1985 新・ゴジラ 海外版

 大人気公開中(2016年8月20日現在)の映画は『シン・ゴジラ』ですが、今回は1984年作『新・ゴジラ』の鑑賞記です。

 1975年公開の『メカゴジラの逆襲』を最後に、東宝映画のドル箱がゴジラから“百恵&友和”そして“聖子ちゃん”へと移り変わります。ゴジラなき9年、ゴジラファンの咽喉がカラッカラに乾いたころ『ゴジラ』(1984)が公開され、これまでとは違う大人テイストのゴジラを見せてくれました。
 時は米ソ東西冷戦下、日本にゴジラが現れたら世界はどうなるか?政府の対応、他国の動きをリアルに描いた空想ドラマ。そんな『ゴジラ』(1984)のアメリカ公開版のビデオがウチにあったので、今回じっくり鑑賞したという次第です。

ビデオジャケット

 ここから先は映画の内容にも触れますので、予めお断りをしておきます。

 まずはタイトル。
 よく知った名前でも、こうして横文字で見ると、何やら洋画を観る気分で新鮮。

1-タイトル

 黒の背景にマグマのイメージが四角く切り取られ、横に縦にとゆっくり流れるオープニング。

 オペラでいう序曲に相当するオープニングの音楽は、日本版オリジナルと同じ小六禮次郎。巨大怪獣の息遣いのような重厚なテーマ曲に期待が高まります。

2-メインタイトル

 物語の導入部も日本版と同じで、漁船の遭難、漂流船の発見からはじまります。東宝大プール特撮の素晴らしさを再認識。
 そして巨大なフナムシ登場!
 日本版オリジナルと同じ展開なのに、セリフを英語で聞くと雰囲気がひと味ちがいますね。そうです、この映画は全編英語吹き替えとなっており、国内向けの本ビデオは日本語字幕がついてます。

 物語に触れましょう。

 ソビエトの原潜が何者かに撃沈され、米ソが緊張状態になると、日本政府は隠していたゴジラの存在を発表し、ひとまず衝突は回避。

 ここで報じられる新聞見出し、よくある輪転機がジャカジャカ鳴りながら見出しがドバっと出る場面ですが…

3-新聞報道

 それも横文字で見ると舞台がアメリカに見えるから面白い。

 そして本作は1954年の海外版『怪獣王ゴジラ』とつながっていて、その時のアメリカ人記者スチーブ・マーチンが生き証人として軍に招かれる。米軍は、日本のゴジラ災害対策に協力を約束、そのためにゴジラを知っている唯一のアメリカ人として情報を求めるべく彼を招いたわけです。

4-証人現る

 演ずるはレイモンド・バー、テレビドラマ『鬼警部アイアンサイド』でおなじみです。子供のころ、夜中に放送していた覚えがあります。車椅子の刑事がシルエットのタイトルで、お決まりのナレーション、それが始まるとおねんねの合図。というわけで、本編は一度も見たことございません。

 ゴジラに戻りましょう。

 新宿での戦闘、自衛隊による冷却攻撃とカドミウム弾を飲み込ませ、ゴジラの動きを止める。しかし死に至らしめたわけではない。 そんな中、ゴジラ災害対策に米ソはこぞって核兵器を使いたがるわけですが、三田村総理は毅然とした反核姿勢を貫き、それを退ける。実にカッコいい総理大臣であります。ここも日本版に同じ。

 しかし! しかしですよ、アメリカ版ではソビエトの工作員がなんと核ミサイルを起動させてしまうのです。

5-ソビエト工作員

 ここがアメリカ版の恐ろしいところ、ソ連は悪者というわけか。
 日本版オリジナルでは、ゴジラ襲撃の余波で誤作動を起こしたミサイル起動装置を、命がけで止めようとしながらも僅かに届かず絶命するソ連男が、本作では字幕のように“起動させる役”に転じられているのです。同じフィルムで正反対の内容に持っていく展開に思わず口あんぐり。アメリカ目線恐るべし。

 とうとう発射されてしまうソ連の核ミサイル!
 日本政府は米軍に迎撃を要請、日本版オリジナルでは外務大臣の報告のみにまとめられたこの場面も、アメリカ版では米軍の意思が撮り足しで挿し込まれています。

6-米軍指令室

 この後は日本版オリジナルと同じで、ゴジラを三原山に誘導し噴火口に落とすわけですが、その声にアレンジが加えられていて、悲劇的な表現が倍増されています。

7-火山に飲まれる巨体

 マグマに消えゆくゴジラの声が、悲しく叫ぶ人のそれのように描かれていて、思わず目頭が熱くなります。

 なぜ生まれてきたのか…
 なぜ葬らねばならぬのか…

8-三田村総理の涙

 三田村総理の涙。

 火口に消えゆくゴジラを見て歓喜するものはなく、皆が目を伏せる姿が印象的でした。
 そしてスチーブのセリフで静かに幕を閉じます。

9-静かに語るラスト

  罪なき怪物は… 地の底へ姿を消した…
 人間の高慢が自らの悲劇を招き、そして…それは教訓となる。 <終>


 この映画、正直面白かったです。日本の出来事とアメリカ目線が交錯するので主役のピントはボケますが、その分、人情や家族愛みたいな個人的なスポットが薄らいで、怪獣出現という大事件一本に主題がしぼられ、怪獣好きとしては日本版オリジナルよりシンプルでわかりやすい。女性の歌とかもなく、BGMもエンディングもイメージの一貫した勇壮な音楽で、モンスター映画に徹しているところがいいですね。

 『シン・ゴジラ』を観たあとに本作を改めて観なおしますと、30年という時の流れに面白い対比が発見できます。


 


 

 

 
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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2016/08/22(月) 12:02:00|
  2. 視聴鑑賞
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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