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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

時計道楽 104

 この洒落たデザインは、今(2016年)から50年以上前の雑誌の表紙です。

暮らしの手帖1963年夏号表紙

 『暮らしの手帖』第70号1963年夏号。ページをめくれば懐かしき日本のくらしがいっぱい。
 中でもこの写真がお気に入りです。

当時の情景

 割烹着のお母さん、毛筆タッチの商店看板、道路は土で車が走ると砂埃が舞うのです。ガードレールがないから歩道も車道もあったもんじゃない。徐々に整備される開発途中の時代でした。
 まさに子供時代の情景、しばし懐かしさに浸ります。

 さてこの『暮らしの手帖』という雑誌は、家電から洗剤、調味料、衣料にインテリア、暮らしに纏わるあらゆる物事を徹底的に研究、分析して読者に伝える、真理を追究した生活向上誌なのでありまして、NHK朝ドラのモデルになっていることは、多くの方がご存じのことと思います。

 そんな中、今号に国産クラシックの好きな私におあつらえ向きの時計ネタがあったので、今回、全文控えておこうかなと、そう思ったわけです。
 あらかじめお断りしておきますが、ここからは昭和38年当時の雑誌記事でありまして、メーカーのイメージを云々するものではありません。


 題して…

『安いからといって日本製の腕時計をバカにしてはいけません』

 4千円前後の国産腕時計を1年間使ってみた結果報告

 
 1年間腕にはめて毎日の進みおくれをしらべたら 

「暮らしの手帖」の61号で、「4千円前後の腕時計」のテストを発表したとき、
 「こんどのテストでは、5ヵ月くらいしか使っていませんから、耐久力の点はわかりません。この点は、こんどテストした時計を、ひきつづき使って、1年か1年半たってから、あらためてその結果をご報告します」
 と、お約束いたしました。
 あれから、2年近くたちました。その間ひきつづいて使ってみた結果が、まとまりました。
 このテストでは、じっさいに腕にはめて進みおくれをしらべたほかに、キカイを使って進みおくれもしらべました。
 テストした腕時計は、61号のときに使ってみた
■ オリエント・ローヤル 4050円
■ シチズン・ジュニア 3850円
■ セイコー・チャンピオン 4000円
■ タカノ・プライム 3900円
 の4種で各3コです。

テストされた時計
■テストした腕時計 右からオリエント、シチズン、セイコー、タカノの4種

 まず、じっさいに腕にはめて、進みおくれをしらべる方法です。
 このやり方は、新品のときとおなじように、4種の男持ちの腕時計を、4人の男の人が腕にはめて、1週間おきにとりかえ、つぎつぎにぐるぐるまわして使いました。
 そして、毎日、正午にラジオの時報に合わせて、その日の時刻をよみ、前日との進みおくれの差をしらべました。ネジは、その時に1回だけ、いっぱいにまきました。
 なお、使っているあいだは、風呂に入るといったような、やむをえないとき以外は、昼間はもちろんのこと、寝ているあいだもはめたままで使いました。
 期間は、一昨年の8月のなかばから、昨年の9月はじめまでの、54週間です。30度をこす暑い夏の日も、0度以下になる寒い冬の夜も、四季それぞれの気候のなかを、腕にはめたままでしらべてみたわけです。
 ご存じのように、時計というものは、毎日おなじ時間だけ、たとえば5秒なら5秒、10秒なら10秒というように、きまって進んだりおくれたりはしてくれません。ある日は8秒進み、つぎの日は20秒おくれるといった具合に、その日その日によって、進んだりおくれたりするのが、まずふつうです。
 もちろん、この毎日の進みおくれがあまりにもひどく、マチマチではこまります。
 4種の腕時計の、毎日の進みおくれの成績をまとめてみました。
 これは、たとえば5秒進んだ日が何日、10秒おくれた日が何日、というようにしらべたものです。そして、毎日、ほとんどおなじような秒数で、進むかおくれるかしたものが、よい腕時計ということになります。
 反対に、昨日は20秒進み、今日は27秒おくれる、といった具合に、不安定に進んだりおくれたりするものは、わるい腕時計といえるわけです。
 1年間じっさいに使ってみて成績のよかったのは、まずシチズンです。
 これは、進みおくれが、4秒進みから5秒おくれまでの10秒の巾のなかに入る日がいちばん多くて、全体の64パーセントをしめています。つまり、3日のうち2日は、この巾のなかで進んだりおくれたりしていることになります。
 つづいてよかったのは、セイコーです。これは、7秒から10秒まで、進みが10秒の巾に入る日が、全体の約46パーセントあります。だいたい2日に1日は、この巾のなかで進んでいるわけです。
 わるい方ではオリエントです。この腕時計は、おくれ方がバラバラで、いちばんかたまっている、50秒から59秒までのおくれという日でさえ、全体のわずか18パーセントしかありません。あとは、それこそバラバラです。
 またタカノは、21秒から30秒までの進みが33パーセントです。
 ところで、買ったばかりの新品とくらべると、どうでしょうか。
 新品のとき、いちばんよかったのは、やはりシチズンでした。20秒から29秒までのおくれが、81パーセントも入っています。つづいてはセイコーで、6秒から15秒までの進みが74パーセント、オリエントは9秒から18秒までのおくれが39パーセント、タカノは3秒から12秒までの進みが28パーセント、という成績です。つまりタカノは、どれも一年使ったあとでは成績がみなわるくなっています。そのタカノにしても、もともとが悪いから、よくなったということにはなりません。


 計量研究所でキカイを使ってしらべた結果も同じ

 つぎは、キカイを使って、進みおくれをしらべる方法です。
 このテストは、工業技術院の計量研究所で、しらべてもらいました。
 しらべる方法は、5度、20度、35度の3つの温度のなかで、時計を5つの向き(姿勢)にかえていって、1日の進みおくれはどうか、温度のちがいによってどうか、腕の向きによってどうか、などといったことをしらべるもので、スイスをはじめ、各国でおこなっている国際的なテスト法です。
 4種それぞれ各2コ、計8コを、8人の男の人が約1年間じっさいに腕にはめて使ってから、もう一度キカイでしらべました。
 いろいろなテストの結果を点数であらわし、これを合計して、新品のときと、1年使ったあとのものをくらべたのが、つぎの表です。(オリエントBは、テスト中にとまってしまったのでのぞきました)

テストの結果

 この点数からみると、シチズン、セイコーは、A・Bともに1年間使ったあとも、まだ毎日十分使うことができます。つまり、この2種の腕時計は耐久力もよいといえるわけです。
 これにくらべて、オリエント、タカノは耐久力の点もよくありません。表でみると、オリエントAは、よい成績ですが、これはじつはテスト直前に、故障でとまったのでやむをえず修理に出したもので、ほんとはテストに参加する資格がなく、いわば参考といったものです。
 そんなわけで、1年間使っていたあいだに故障した回数も、銘柄によって多いもの少ないものいろいろでした。
 いちばん多かったのは、タカノで、3コのうち2コが、2回ずつ故障しました。そのほかは、シチズン、セイコー、オリエントが、それぞれ1コが1回ずつ故障しています。
 しかし、どの故障も、ゴミが入ったためとか、ゼンマイをまくビスがゆるんだためとかいった、比較的軽いもので、時計にとって致命的といった故障は、どれも一度もありませんでした。


 国産の、それも安い時計でも決してわるくはない

 そこで、この4千円前後の4種の腕時計の耐久力を、じっさいに1年間使ってみた結果と、キカイでしらべた結果からまとめてみましょう。

 1 シチズン・ジュニアは、耐久力の点からみてもよい腕時計である
 2 セイコー・チャンピオンは、シチズン・ジュニアよりはややおちるが、まずまずよい腕時計といえる
 3 タカノ・プライム、オリエント・ローヤルは、この2つにくらべて、かなり差がある

 こんなふうに、4千円前後の4種の腕時計のなかでは、シチズン、セイコーがよい成績でした。
 しかし、この4千円前後の腕時計を、もっとねだんの高いものにくらべたら、どうでしょう。新品のテストでは、正確さという点で、けっして高いものにひけをとらないものもあったのです。が、耐久力という点ではどうだろうか、そういう疑問がうかびます。
 じつは、このことをみるのに、ちょうどよいデータがあったのです。
 一昨年の春に、計量研究所が、ねだんの高い国産品と外国品の腕時計をテストしました(これは、61号でふれてあります)。その後、成績のよかったものをひきつづきじっさいに使用して、1年半たった結果が、今年の春に発表されました。
 計量研究所でテストした腕時計は、国産品が6種12コ、外国品が6種10コ、計12種22コで、ねだんは、国産品が6千円前後と1万円前後、外国品が1万円から4万円までのものです。

成績表

 この22コの腕時計の成績に、私たちの4種7コ(オリエントの1コは、テスト中にとまったので除きます)の腕時計の成績を、つきまぜてくらべてみたのが、上の表です。
 シチズン、セイコーは、ねだんの安い割には、まずまずのところにきています。
 タカノは、シチズン、セイコーにくらべて、よくありません。順位には差はありませんが、じっさいの点数には、かなりのひらきがあります。
 そこで、さきほどのまとめにつけ加えると、

 4 耐久力という点からみると、ねだんの高い腕時計は、高いだけのことはある。しかし、4千円前後のなかでも、シチズン、セイコーは、まずまずよい成績である

 ということになります。



 以上が記事全文です。シビアな実験と曇りのない論調に頭を下げるしかありません。
 こちらが実際の誌面を写したものです。

実際の誌面

 今回は時計ネタということで、時計のカテゴリーで控えておきました。
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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2016/09/07(水) 12:02:43|
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