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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

鑑賞記 16

THE WAR OF THE GARGANTUAS

 1990年代半ば、1ドルが100円を切る円高だったころ、ニューヨークのビデオ屋で$10セールの中から見つけてきたコレ。

ジャケットのデザイン  ジャケット裏

 おおー!これはサンダとガイラだ! と、狂喜乱舞して買ってきたVHSビデオ。そりゃあそうでしょう、1ドルが100円しないんですから、つまりは円換算で1000円以下というわけ。即決でございます。カバーイラストも大げさで味があります。戦車のマークが面白い。

 

 というわけでございまして、今年2016年は『サンダ対ガイラ』50周年ということで、年末に当たり、古いテープを引っ張り出してきて観なおしたという具合です。
 ここからは、個人的な感想とともに、映画の内容にも触れますので予めお断りしておきます。

 
 
 オープニングは日本公開オリジナル版とおなじ、荒れた夜の海を行く一隻の漁船。

タイトル

 『THE WAR OF THE GARGANTUAS』、1966年製東宝映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の海外公開版ですが、タイトルに“フランケンシュタイン”の名は出ていませんし、劇中にも出てきません。出てくる二大怪獣は単に巨人型怪獣ガルガンチュアとされています。それでいいと思います。アメリカ人にとって“FRANKENSTEIN”は大名跡、ブランドイメージが固まってますからいじらない方が得策、細胞分裂で増える巨人型怪獣で話が収まるんですからそれでいい、むしろオリジナリティが立ちます。

 漁船の遭難、そして漁村に巨人怪獣が現れる。人間の味をおぼえた“グリーンガルガンチュア”だ。

新聞記事

 新聞もご丁寧に海外版。

 話は、上陸した海の怪物グリーンガルガンチュアが食べ物を求めて人里に出るところ。
 この映画、全体的に明るく色補正されているようで、日本オリジナル版のこんな場面も…

オリジナルの照明

 こんな風になっています。

明るい画面

 明るいからディディールがよくわかるし「こんな場面あったかな?」と初めて見るような錯覚に陥ります。それと、アメリカのお客さんはハッキリ写ってないと許してくれないのかも知れませんね。“影を観る”というのは日本人的情緒なのかな?と思いました。

 それと軍隊による攻撃場面がオリジナル版より多いような気がします。

攻撃場面

 これは私の偏見ですが、アメリカはドンパチが好きなんじゃないか?戦いが好きそうだから。

 そしてメーサー殺獣光線車登場。

メーサー車

 いよいよ瀕死のグリーンガルガンチュア。

瀕死のガイラ

 と、そこへ巨大な影が斜面を駆ける。

サンダのあし

 ここで登場、二匹目の怪物“ブラウンガルガンチュア”。つまりガイラに駆け寄るサンダなんですけど、オリジナル版では、このショット見たことありません。海外版のみの挿入ショットですね。脚と鳴き声で表すなにかが新たな展開を期待させてくれます。

 グリーンを助け起こすブラウン。

サンダとガイラ

 二大怪獣のそろい踏み。
 彼らは兄弟、いや、それ以上に近しい存在、つまりは元々おなじ生き物から分裂した分身だったのだ。

 幼い頃、人に育てられ、人のやさしさを覚えたブラウンに対し、分裂体であるグリーンは人の味を覚えた人食い巨獣に育っていた。
 ときに飛行場の職員を食べ、ときにハイキングの若者も餌食に…

この人たちって

 といいつつ、私から見るとあんまり美味そうじゃないねえ。もうちょっと生きのいいのが欲しかった。

 やがて対立するグリーンとブラウン。決戦の場は銀座から晴海へ。

晴海の決戦

 ここでの戦いも画面が明るくて新鮮。役者さんの躍動が光ります。演ずるはグリーンに中島春雄、ブラウンは関田裕、いずれも息の合った掛け合いで、それは見事な演技。言葉を発しない演技でこれほどまでに感情が伝わるのだろうかという、感動の名演です。それに水の使い方が絶品で、しぶきの描く円弧までが完成されたデザインになっています。良い画面というのは、リアリティー一辺倒ではく、美しさとか迫力といった目的に応じた最高の味付けが実行されたときだなと、しみじみ思いました。

 そして、海に出た両者は海底火山の噴火に飲み込まれ、噴煙の中、静かに姿を消すのでありました。

END_20161205231248e3f.jpg

 最後は日本オリジナル版と同じ結び方ですが、“終”が“THE END”となるだけで、お味がバター風味に変わりますね。

 今回じっくり観てみて、新作を観たような感慨にふけりました。言葉が英語になりBGMも差し替えられている、つまり音の違い。全体的に明るさ補正された色の違い。同じ素材でも印象がずいぶん変わるんだなあと感じました。
 私が生まれて初めて劇場で見た映画『サンダ対ガイラ』は、やはり何度観ても面白いし、見れば見るほど、怪獣役者の名演に心を打たれます。
 ゴジラが子供の人気者になりつつあった1966年ごろ、本当にこわい怪獣映画がここに生まれていたのです。



 

 






 







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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2016/12/07(水) 12:06:34|
  2. 視聴鑑賞
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

サンダ対ガイラ、大好きです!
・クロールで追いかけてくる
・空港職員を喰う
・地下鉄の入り口から覗き込む
あー、なんてステキなシーンの数々なんでしょう。
  1. 2016/12/07(水) 12:54:13 |
  2. URL |
  3. キムラ #-
  4. [ 編集 ]

キムラ様

お世話になります。
嬉しいコメントありがとうございます。
どのシーンも中島春雄さんの名演あればこそで、本文でも触れましたが水使いが絶品ですね。クロールで追いかけてくる時の水の描く円弧、船をゆすって起こす波しぶき、どれも素晴らしいものです。最後の決戦も海の中で、地上の格闘よりも水の迫力が効果を上げているように思います。
この映画のことになりますと、話したいことが山ほど沸いてしまいます。
  1. 2016/12/07(水) 20:42:23 |
  2. URL |
  3. 柊horii #-
  4. [ 編集 ]

実は、わたくしこの英語版を観た事があるのです。
水野久美さまが「ガルガンチュワ」って云っているのを新鮮な気持ちで受け止めました。
  1. 2016/12/08(木) 15:42:21 |
  2. URL |
  3. キムラ #-
  4. [ 編集 ]

キムラ様

さすがなんでもご存じで、恐れ入ります。
水野久美さまの「ガルガンチュワ」。吹き替えもイメージが合ってて英語で見てもステキでした。
研究所で、銀座の地下道で、病院のベッドで、わが子を案ずる母のようにそう言ってました。

とかなんとか言っといて私は英語わかりませんけど。
  1. 2016/12/08(木) 17:26:31 |
  2. URL |
  3. 柊horii #-
  4. [ 編集 ]

私は1966年生まれなので、この作品は知りません。
このブログを拝見して興味を抱きました。
この作品は日本人が映っているのですが、日本で
制作されたものでしょうか?それとも英語の字幕が
出ているので海外の作品でしょうか。
DVDでもレンタルされているのでしょうか?
古い作品のようなのでVHSのみなのでしょうか?
  1. 2016/12/08(木) 18:31:24 |
  2. URL |
  3. 金城です。 #-
  4. [ 編集 ]

金城様

お世話になっております。
この映画は『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の輸出仕様、いわゆる海外版というやつです。
『サンダ対ガイラ』の詳細につきましては、手抜きですみませんが、インターネットで検索してみてください。
映像ソフトに関しましては、日本オリジナル版『サンダ対ガイラ』はたやすく入手できると思いますが、さて、海外版のほうはどうなんでしょう?検索してみたらVHSがアマゾンに出てるみたいですね。

もし、日本オリジナル版の『サンダ対ガイラ』もご覧になられていないのでしたら、『フランケンシュタイン対地底怪獣〈バラゴン〉』も一緒におすすめです。ゴジラシリーズと並行して作られた本格怪獣映画が楽しめます。ちょっと怖いですけど、特撮が見事ですよ。
  1. 2016/12/09(金) 09:17:34 |
  2. URL |
  3. 柊horii #-
  4. [ 編集 ]

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