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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

時計道楽 147

シチズン 新本中三針(S中三) 4

 1950年代のシチズン中三針のムーブメントです。

9-ムーブメント

 それでは基本に倣いテンプを外します。

10-テンプをはずしました

 露出したアンクルを突っついてもはじきません。ということは悪い箇所はもっと奥ということになります。

 ゼンマイをほどいてアンクルを外しました。

11-アンクルをはずしました

 続いて真ん中の二番受けを開けます。

12-二番受けを開けました

 三番以降の車を外します。

13-輪列をばらしました

 さらに香箱受け、その他を外しまして丸裸となります。

14-j地板

 このあと、部品を洗いまして組みたて、輪列上がりの状態です。

16-ザラ回し成功」

 りゅうずを回してみて全体の連動が確認できたら、脱進機をつけて完成です。

 …と思ったら、アンクルが動きません。

17-アンクルのツメ石

 ツメ石の出具合が悪かったようです。
 どうりで解体前もうまく動かなかったわけです。
 石の位置を調整しながら、組み立てまして、正常位置にたどり着きますと…

18-はじき成功

 パチン!パチン!とはじくようになりました。
 これで、ここまでは正常に復活、残るはテンプのみとなります。

19-テンプがだめです

 ところがテンプがダメでした。天真が減っていたようです。組んでもクラクラしてしまいます。
 ということで実用はあきらめまして、ケースに納めました。

20-文字板を取り付け

 観賞用ベルトをつけまして、シチズン新本中三針(S中三)の旧タイプです。

21-シチズン新中三

 昭和20年代の余韻が残る個性的装飾性を宿したケースラインに、数字まじりの球面文字板が時代を感じさせます。これまで控えてまいりました同系三種の中の最古参です。

 それではここまでの同系統三種類を見比べてみましょう。

三兄弟を比べてみよう

 ぱっと見ますとどれも同じに見えますが、左から古い順に並べてあります。

 まず一番左がS中の古いタイプで今回控えたものです。

23-11石タイプ

 昭和30年(1955)に発売されたS中三針11石の機械。(ここからの発売年は機種の発売年でありまして、個体のそれとは違うことをあらかじめお断りしておきます)
 テンプはチラネジ(金色のわっかをテンワ、周りについている小さなネジをチラネジといいます)つきで、まだ耐震構造はありません。角穴車(上のほうの大きな白い板状歯車)の飾り輪は一本。

 次は昭和31年(1956)17石モデル。

24-17石タイプ

 テンプは上と同じチラねじつきですが、ここで耐震構造“パラショック”が入ります。それとガンギ(真ん中三箇所ルビーの左下)に調整板がつきました。角穴車の飾り輪は二本ですが、この意味はわかりません。

 最後は最終機種“マスター”昭和34年(1959)19石。

25-19石マスター

 テンプからチラネジが消えました。耐震構造はそのまま。三番車(真ん中三個のルビーの左上)にも調整板がつきました。

 このように一年、また一年と標準原機を改良しながら製品を育てていった様子が、並べてみるとわかります。

26-S中三兄弟

 外観デザインも、三者三様。
 温かみという観点では古いほうがいいですね。丸っこいふくらみは安心感を与えますし、数字と棒字がミックスされた文字表記はどことなくユーモラスです。
 真ん中になりますと、すべて棒字にそろえられシンプルな顔立ちになるものの、やはり丸っこい文字板と金色使いが温かみを保っています。
 右のマスターになりますと、細縁で薄型、モノトーンでまとめたシンプルダンディ。
 これらのシリーズにはそれぞれ金色ケースなど、さまざまなバリエーションは存在するので、一言では述べられませんが、上記三点だけを見比べますと、時代を追うとともにデザインも近代化しているなと感じます。

 本日の控え シチズン 新本中三針(S中三) 11石 推定1955年 でした。
 年代を推定としたのは、刻印形式が古いため個体の特定が出来なかったからです。

21-立体的なデザイン

 戦後10年ほどで紳士の腕を飾った国産時計のやさしい顔立ちに、復興へのエネルギーが宿っているように見えるのは気のせいでしょうか。









 


 





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  1. 2017/11/15(水) 11:05:18|
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