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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

鑑賞記 24

妖怪人間ベム 最終回

 「はやく人間になりたーい」 のフレーズでおなじみの妖怪人間ベム。今のお若い方はご存じないかもしれませんが、人間になれなかった生き物、妖怪人間ベム、ベラ、ベロの三人が、怪奇事件を解決してゆく物語。

タイトル

 今回はその最終回のお話。

 これは昭和40年代のテレビアニメ、当時は“マンガ映画”なんていう呼び方をしていたように思いますが、まあ、その辺はさておきまして、内容が濃いです。『ノートルダムの鐘』や『フランケンシュタイン』にみられるような、醜い姿に美しい心を備えた者たちの悲劇が描かれています。

 鉄道のトンネルを塞ぐ土砂をどけようと奮闘する三人だが…

良いことをしているのだが

 地元の村人に見つかるや、その姿ゆえに迫害されるのです。

襲いかかる村人

 このあたりは、帰ってきたウルトラマンのエピソード『怪獣使いと少年』に重なる、群衆の愚かさですね。獣じみた連中ほど、不安に敵を見出して、暴力で排除しようとするのです。もっとも知性が発達していれば暴力はふるわないと思いますが。

 ところが、この村には本当に化け物の屋敷があって、そこには恐ろしい姉妹が住んでいる。

おそろしい怪物姉妹

 この姉妹の怖さったらない、人をさらっては地下牢に閉じ込めておいて、順番に魂を吸ってゆくという恐怖の姉妹なのです。

 変身した姿は超怖い。

怖い顔

 なんとも言えぬ怖い筆致。アニメはリアルが偉いってわけではないのです。ここは特撮にも通じるところでありますけど、映像表現として、目的に合った効果が発揮されていれば、それでOK。むしろ独創性が高いほど作品として高い評価をうけようというもの。

 そして、この姉妹に魂を吸われた人たちは、もっと深い穴に捨てられる。
 魂を抜かれた抜け殻人間の描き方がまた凄い。

魂を抜かれた亡者たち

 モワモワモワ…という、空気の抜けたような声を発しながら、ゆらゆらゆれる亡者の描写がおそろしい。大人の私が見ても気持ち悪いのなんのって。

 そして少年妖怪人間であるベロも牢獄に囚われてしまう。

さらわれた人々

 そこで出会った少年と、小さな友情を芽生えさせる場面が一服の清涼剤となるのだが…、非情にもベロも怪物姉妹の毒牙にかかってしまいます。
 ところが怪物姉妹、ベロの魂を抜いたらその正体が妖怪だったことに驚く!その時のセリフがふるってるね。
 
 「こんな生き物が本当にいたなんて…」 ですと。

 お前が言うか!自分を棚に上げるのにもほどがある。
 人に例えよう。悪い奴ほど自分が悪いと思っていない。だからモメるのです。

 話は続きます。

 魂を抜かれたベロを助けに来たベムとベラ。怪物姉妹との壮絶な戦いが始まる。

ベムと女妖怪の闘い

 おそろしく強い怪物姉妹だが、やっとこさっとこベムたちが勝って、怪物姉妹の呪いは消える。

ベムたちが勝つ

 怪物姉妹が消えると、これまで吸われていた魂たちが体に戻り、ベムが彼らを救出。あくまで正義の心を貫くベムたちであった。

 ところが、事実を知らない警察は、屋敷もろとも化け物の噂を抹消してしまおうと、火を放つ。

警察は屋敷に火を放つ

 そんな中、ベムたちはあることに気づく。それは体と魂の分離したベロを前に、自分の魂を別の人間に宿せば、人間になれるという、積年の願いが成就する方法であった。だが、それを行うことは別の人間の魂を奪うこと…

 炎の中、ベムが悟る。

ベムの悟り

 「俺たちは人間には見えない者たちと戦ってきた。それは俺たちが妖怪人間だからなのだ。俺たちが人間になれば、その超能力は失われてしまう。だから…」

 妖怪人間のままでいい、と決意する姿に、思わず涙。
 蔑視され、嫌われて、迫害されようとも、人間のために正義を投じようと決心する妖怪人間たちに感動を禁じえません。

炎につつまれる三人

 ベラの妖術で息を吹き返すベロ、そして炎に囲まれる三人。
 
 焼け跡には、帽子とマント、小さな靴が落ちていた。

三人はいずこへ

 彼らはどこへ行ったのだろう。

 もし、身の回りで奇怪な事件がおこり、それがいつの間にか解決していたならば、それは妖怪人間たちの活躍にちがいない。そして、妖怪人間たちに感謝をしよう。

 というようなナレーションでドラマは締めくくられます。

 涙…、涙の最終回。

 シリーズを通して、妖怪人間たちが教えてくれたのは…

 一、見た目を疑い、本質を見る努力をしよう。

 一、見返りをを求めず、困っている人の役に立とう。

 一、誰とでも仲良くしようとする優しい心を持とう。

 という質の高い人間の振る舞いでした。

 異国の匂い漂う舞台設定に、ジャズテイストのBGM。

 恐い描画に美しい物語。

 何とも独特なその世界は、怪奇ムード満点の大人な作り。それでいて目線は常に子供にあり、喜びも怒りも素直に引っ張られてしまう、シンプルなドラマ構成。大人になっても楽しめ、また、考えさせられる名品でした。

三人に感謝をしよう

 ありがとう、妖怪人間。

 もしあなた方に会えたなら、私は素直にうれしい。


 





















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テーマ:♪♪生活を楽しむ♪♪ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2018/07/25(水) 11:13:53|
  2. 視聴鑑賞
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  4. | コメント:0
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怪獣、時計に小料理飲酒、好きなことを好きなだけ、やりたい放題の道楽おやじ。

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