まんじゅう時計 2
今回いじっておりますのは、おまんじゅうのような懐中時計です。
前回、外装をなめまわしまして、ここまでの姿になりました。

文字板が柱時計のようにネジで止まっています。
この文字板止めネジを外しましたらば、その文字板はペラっぺらの薄っぺら、まるで自分を見るようです。
文字板が無くなると、その下はこうなっています。

動力ゼンマイの巻き上げと針回しの切り替えがよくわかる構造です。
普段はゼンマイの巻き上げにのみ作用する巻き真ですが、肩にある小さなボタンを押しますと…

シーソーみたいに歯車が下がって針回しにジョイントします。これがりゅうずを引く規制レバー登場前のダボ押し式針回しです。
機械をケースから取り出しました。

ゴシックモンスター登場といった雰囲気ですねえ。ロボット人間、機械人間の中身のような絵姿が素敵です。
さて、ばらし方、どうする?
受け板が一枚ものですから、まずはテンプを受け板から離さなくてはなりません。したがって天真の大きなネジを外してみる。

なるほど、ネジそのものが天真ホゾになっている。
ヒゲ持ちからヒゲを抜いて、受け板を外しました。

時計の全体像です。脱進機はフックアンカー方式です。
こちらはテンプ。

コマみたいなシンプルなもので、これなら天真折れの心配はなさそうですが、その代り精度もそうとう粗っぽいとみました。
次の写真、カブトムシの角が生えたC字型のパーツがフックアンカー。

二本のピンが、ガンギ車を止めたり逃がしたりします。

時計輪列をばらしまして、地板には香箱と二番車のみ。

香箱が取れません。どうやら秘密は裏側にありそうです。
ここで裏返し。再び文字板側です。

押さえ板を開けます。筒車を抜いて二番を取り、香箱をカチャカチャゆすっていると、ポロっと香箱が取れました。

香箱に蓋は無い。地板に伏せる形で収まっているため、蓋は要らない。そしてゼンマイの端がどこにも捕まっていません。
ではどこに?

文字板側から突き出た真、ここにゼンマイがつかまっていたのです。巻き上げを担う車が文字板側にあり、その芯がゼンマイをからめとる、つまり香箱の蓋が地板を兼ねているという構造です。
押さえ板を外しました。下の写真、左の白い車が巻き上げ用というわけです。

そして右の真鍮製の車が針につながる伝え車です。そしてその上にシーソー型の両輪が左右に傾くことによって、針と巻き上げの切り替えが行われるのです。
では全ての部品を洗浄にかけまして、今回はお開きとしましょう。

次回は外装と組み立て、鑑賞となります。
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- 2018/12/13(木) 11:13:07|
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