OCEAN SUPER 1
ジャンク時計です。止まっていてりゅうずも動きません。

文字板を拝見する限り“Ocean”というのが銘柄のようです。しかし面白いブランド表記です。普通ですと、12時下のメイン表記は上段から、メインブランド、サブブランド、機能その他といった具合に、富士山型にレイアウトされますが、今回の品物は、メインブランドの上に機能表記に近い“CHRONOMETER”がかかっています。一見不自然かな?と思いましたがメインタイトルの“Ocean”が、頭デッカチ尻すぼみな形だけに、“CHRONOMETER”が屋根となって逆富士を形成、安定感を持たせているように思います。しかも1時と11時の棒字の延長上にきれいに納まっていて自然です。
裏返してみましょう。

ステンレスバック(裏蓋)に簡易防水と表記され、ネジ式蓋のツメかけが刻まれています。
蓋を開けました。蓋の内側には修理日付のハンコが押されています。

“8.1.30”ですか。日本の習慣に基づき、この数字を“年・月・日”とするならば、昭和8年はあり得ないでしょう。2008年だとしたら、わずか10年前ということで、時計のダメージからして考えにくい。そうすると平成8年といったところが妥当でしょうか。
ケースの中身です。

カサカサに古びた、時計の機械です。この凝り固まった機械をバラして組みなおす。そしてそれが動き出したとなれば、それはそれは気持ちよい。自分の体もできればそうしたいところですが…それは難しい。
巻真を抜いて、機械を取り出す。

ガラス縁(ベゼル)のない二つ物ケースです。つまりは下開け。材質は真鍮にクロムメッキでしょうか。

文字板です。“CENTER SECOND”とわざわざ書いてあるところを見ると、小秒針から中三針に移行した直後の時代とうかがえます。そのせいか、秒針がやたら目立つデザインで先端の三角がどうだ!と言わんばかりに主張しています。それにしてもこの秒針長すぎないか?切分からハミデバビデブーです。
裏返して機械の方です。

真鍮の歯車が一つ露出しています。どうやら出車式中三針のようです。
側止めねじを外しまして、中枠を抜きます。

今度は文字板を外します。
こちらは文字板下の様子です。

りゅうず一段引きのスタンダードな作りです。
中央筒車の横にマーク刻印があります。

“FEMGA500”ですと。さっそく調べて見ましたらありました。
http://www.ranfft.de/cgi-bin/bidfun-db.cgi?10&ranfft&&2uswk&Femga_500 10.5型(φ23.3mm)パワーリザーブ35時間、18000振動/時、1940年代の製品のようですが、500番は小秒針タイプなので、本機は中三針の502番となります。

素性が判りましたところで、次回、分解してみましょう。
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- 2019/07/17(水) 11:27:38|
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