街のパン屋さん 近ごろよく耳にするのが“街(町)中華”なることば。ただ街に存在する中華料理屋さんという意味にあらず、そこには昭和を偲ぶ懐かしさが込められています。ご夫婦もしくは家族で切り盛りしているような、ラーメン、餃子、チャーハンなんかを主とした日本製中華お料理屋さんで、戦後、大陸からの引き上げ者が始めたというのがルーツであると何かで聞いたことがあります。そんな街中華も高齢化を伴う後継者問題などで、近年だんだん少なくなってきています。同じように、街のパン屋さんというのも少なくなってきています。いえ、しつこいようですが、オシャレなベーカリーはここには含んでいません。お爺さんが焼いてくれる、昭和チックなパン屋さんのことです。
初めての商店街をぶらついていたら、私の鼻がヒクリと動いた。昭和の匂いただようパン屋さん。すかすかの棚には、パン粉の勇ましいカレーパン、ポテトサラダをくわえたコッペ、ハムのサンドイッチらが、買ってもらおうという意欲も見せず、じつと佇んでいます。どれもいいねえ、とのぞいていたら案の定、お爺さんが出てきました。私は病気で声が出ず、お爺さんは高齢で耳が遠いからコミュニケーションに難儀しましたが、総菜パン数個と食パンを切らずに一斤買ってきました。

この切らずに一斤の食パンがうれしいの。辞書くらい分厚く切りましてね、辛子とマヨネーズを塗るのです。

粉チーズとバジルを振ってグリルで焼きました。

野菜スープがあれば完全にお食事です。

焼けたチーズの香りが食欲をそそります。
モシャモシャモシャっと引き裂けば、中の白い肌が美味しい湯気を吹き上げる。

じいちゃんが焼いてくれたんだな?と思うと殊更に美味い。やさしいお爺さんだったから。ここが面白いところで、無口な頑固じじいがパンを焼くというイメージはしにくいのね。なぜならば、パンそのものが“やわらかい”とか“あったかい”というイメージに包まれているから、その影響でご主人まで優しい人物像にできあがるわけ。

口を大きく開けて、ちぎったパンをほお張る。癌で狭まった食道をぐいぐいこじ開けて飲み込む快感は米にも負けない美味さです。
そうそう、たくさん買ったらサービス券をもらいました。

ね?こういうところも昭和チックでいいでしょう?
お店の名は『シャロン』埼玉県川越市、霞が関にあります。
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- 2019/11/02(土) 16:34:51|
- 料理・食
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