シチズン
ヤングホーマー 2
1960年代、シチズンのヤングホーマーです。
中の機械はcal.0270,Homar0200系統の廉価版です。

壊れては無さそうなんですが、テンプ(大きな輪っか)の振りが悪い。よく見たら、ヒゲ(細い渦巻き)が乱れて一部くっついてました。

テンプを外します。

下から出てきた刺股〈さすまた〉みたいなのは、アンクルといいます。解放したい歯車の動きを抑え、テンプの反復に従って歯車を等間隔に開放して、時計としての規則正しい動きを実現するところです。
そのアンクルを除きますと…

残った動力が解放されてシャーっと歯車たちが回ります。なので、ここを外すときは、動力を全部開放するのが作法です。
動力ゼンマイを巻きあげる大きな歯車を外しますと、ヘアピン状のバネが見えます。

コハゼバネと申しまして、作用しているヒヨコみたいな小さな部品(コハゼ)を押して、ゼンマイの逆転を抑えるストッパーとなっています。
ここを開けますと、ゼンマイの入った円筒の器が出てきます。

これを香箱と呼びまして、中に動力ゼンマイが射込まれています。
残りの蓋、受け板と申しますが、これを開けると、時計の輪列が見えます。

動力が伝わる流れの図です。
横から見ますとこんな感じです。

部品を取りますと、さらに一枚、真ん中の車(二番車)だけを抑える、二番受けがあります。

ここも開けますと、いよいよ土台が出てきます。

これを地板と申しまして、全ての基盤となるわけです。
今回は、少々説明的な話しぶりになってしまいましたが、夏休みです、こういう機会に時計というものの仕組みを知っていただいて、興味をひとつ増やしていただければ、これ幸いに思います。
このあと、部品を洗って組立と続きます。
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テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用
- 2020/08/12(水) 11:06:59|
- 時計
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