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柊 萬控へ<ひいらぎ よろずひかえ>

料理、時計、怪獣、家庭菜園など趣味のあれこれを書き控えてまいります。

玩具工作控 727

名もなき怪獣たちの思い出 2

 昭和40年代の日本は、怪獣無法地帯でした。縁日の夜店やら、観光地のお土産屋さんといった、おもちゃ屋さんじゃないお店には、見たことのない名もなき怪獣たちが売られていましたっけ。

 駄菓子屋の一枚5円のプロマイドだって、ウルトラマンやゴジラのどさくさに紛れて、陰のオーラをプンプン匂わせたインチキ怪獣たちが出回ってました。

プロマイド

 50年経った今では、そこから味を感じ取って鑑賞できるようになりましたが、子供時分だった当時はね、変なイカルスとか変なネロンガといった異形に見えたんです。ソフビ人形もしかり、見たことのない変な人形はぞんざいに扱っておりましたんですが、まさか50年後に高値で取引されるとは…。

 近所にソフビ工場〈こうば〉があったんです。工場といってもおじさん一人で回している抜き屋さん。つまり金型に材料を流して、素体をスポンスポンと抜くまでの仕事です。おまけに実家と交流があったから僕は“怪獣のおじさん”と慕ってまして、会うたびに「怪獣ちょーだい、怪獣ちょーだい」とねだってました。そしたらある日、願いが叶って米袋いっぱいの怪獣がもらえたんです!やったー!と大喜びで畳の上にばらまくと… クリーム色の成型でもちろん未塗装、数はあるけれど、分けてみたら種類は3種類しかなく、しかも見たことのないやつでガックシ。そりゃそうでしょう、社会人になった今ならわかります、版権物は横流しできないし、子どもにタダでやるんですから、物の程度なんて高が知れています。

 どんなのだったかなあ?朧な記憶をたどってみると、ピーターみたいな頭のかたち、ラドンみたいなつばさのやつ、ゴメスみたいな角のあるやつの三種類だったような、それで手足は分割してなくて、指人形みたいな穴の開いた一体もので、ひとつの大きさはヤクルトより少し大きかったような?

なーんかこんな感じ

 なーんかこんな感じ?子ども心につまらないとはいえ怪獣は怪獣、実家の稼業でラッカーを扱っていたので、ニ、三匹、色を塗って遊んだり、友達に上げたりしましたが、そのほとんどは米袋に眠ったまま、僕は大きくなり、いつしか引っ越しと共に消えてゆきました。

 あー!私は叫びたい。あれは何だったんだ?と。完全に幻と化した米袋の怪獣たち。タイムマシーンがあったなら、一番にそこへすっとんで米袋の中身を見たい。もはや記憶も朧で、火吹き怪獣ギメゴン、ゴメラ、トドラの抜型だったのでは?と問われても、違うと断言できる自信もありません。彼らとの再会を胸に抱き、中古屋さんや、ネット画像を見てみるも、つながるものは出てきません。

パチ怪獣

 ああ、名もなき怪獣たち、資料ももたず、出自さえ語られない彼らは、流行に乗じて生き、子どもたちの蔑視をものともせず、いつしかお宝と呼ばれるようになった。そしてその中には、UMAのように幻となっている個体も確かに存在しているのです。

 私の悔やまれてならない、名もなき怪獣の思い出は、お菓子のおまけから開けられた、記憶の引き出しの一片でした。




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テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用

  1. 2021/06/12(土) 09:55:17|
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時計やゼンマイ玩具など、動くものが好きです。野菜を育ててお料理、映画なら特撮、好きなことを好きなだけ、やりたい放題の道楽おやじです。

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