キングコング対ゴジラ(東宝/1962)
公開延期で話題となっております、ハリウッド版を観る前に、まずはこっちを。

4Kリマスターブルーレイが発売されたという事で、何度も観た作品でありながら、やっぱり買ってきてしまうところがファンというものです。ですが、今回のお話は、VHSやDVDと画質を比較して…みたいなものではなく、単に作品に対する個人的な感想を独り言で述べるだけです。
公開は1962年(昭和37年)、プロレスが吸血ブラッシー、狂犬オースチンなど、アメリカからやってきた強豪たちと、力道山をはじめとした日本勢との日米対決が主軸となっていたころ、怪獣のゴジラとキングコングという世紀の日米決戦が行われるとなったら、そりゃあ盛り上がらないわけがない。

この作品は、子どもの頃ならテレビ放映にかじりつき、十代後半はβに録画、その後VHS,DVDと移り変わり、若い頃から何度も何度も観てきましたが、やっぱり面白いですねえ。とにかく陽気な作品です。設定に無駄がなく、飽きさせない場面展開、盛りだくさんなミニチュア特撮、さすが東宝30周年記念作だけあって、贅沢仕様です。
要素がいっぱい詰まっていると、とかく散らかってテーマがわかりづらくなりますが、本作の場合、製薬会社が中心となることによって、コングを発見、コングを眠らせる、日本に運ぶ、といったことが無理なく成立するのです。したがって、自力で移動してくるゴジラに都合よくぶつけることができるわけですね。そして、その製薬会社の宣伝部長を演じる有島一郎がいいんです。怪獣に負けない存在感で、大いに笑わせてくれます。

主役は高島忠夫と藤木悠の弥次喜多コンビ、アメリカのマッチョな主人公とは味が違います。ヒロインは浜美枝さんで、ゴジラに襲われ、コングに握られる大災難役です。科学者はおなじみ平田昭彦、知性が光りますね。
今なら町田啓太さんあたりにやってもらいたいな。個人的趣味だけど。
そして、子どもの頃、みんな日本人じゃんかよ!って思っていたファロ島の原住民たちも…

アメリカ人から見たら、アジア系民族として逆にリアルかも、なんて思ったりして。
ゴジラの造形も迫力満点で、初のカラーとあってか、それともコングの悪役を意識してか?首も脚も極太の巨体なんですね、1980年代はキンゴジとしてモスゴジ(『モスラ対ゴジラ』に登場の造形)と人気を二分してましたっけ。大きな背びれを光らせて青白い熱線を吐いてコングを襲う。コングも負けじと電気攻撃!雷鳴轟くと元気100倍。ポパイがホウレンソウを食ったように…という喩えが懐かしい。大迫力の日米怪獣大決戦、こんなぬいぐるみ猿なんかコングじゃない、なんてぬかすアメリカかぶれは顔洗って出直してこい。60年前の日本特撮を伝統技術としてみれば味わいがわかるはずさ。リアリティばかりが特技じゃないよ、見せ方、面白がらせ方が肝要だと思うの。
それと今は失われつつある、サラリーマンの上下社会、昭和の食卓、団地のインテリアなど、60年近く経ったからこそ新鮮に味わえる当時の生活風景。舞台も、北極海から南海の孤島、千葉から東京を通って、熱海城でクライマックスを迎える豪華版。

息の合った本多演出に円谷特技、血の沸き上がるような伊福部節は絶好調、さあ、ハリウッド版の前にみんなで観よう、CGもいいけれど、アナログもいいよ。
お疲れのあなたに、キングコング対ゴジラ、キングコング対ゴジラ、東宝映画、キングコング対ゴジラをどうぞー!ジャァーン!
今夜もう一回観ちゃおっかな。
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テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用
- 2021/05/29(土) 10:08:49|
- 視聴鑑賞
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