CITIZEN JET AUTODATER 1
国産腕時計昭和の旅でございます。
今回はシチズンジェット・オートデーターです。

振れば動きますが、見ての通り汚れとキズでボロボロのジャンク品です。

外径37.5ミリの丸型スタンダードなデザインです。
大きなボックス風防。

日付の位置に内面レンズがついているので、その分、総厚が厚くなっています。
裏面です。

皮脂か錆か、固着した汚れが掃除屋魂をくすぐる。蓋の製造番号からすると1965年(昭和40年)製らしい。
裏蓋を開けてみよう。

外周を取り巻くように設置されているのが、ジェットロータと呼ばれる回転錘です。自動巻きの回転錘といえば、中央から伸びた扇型が主流ですが、これは、重ねないで外周を囲むという薄型設計を目的とした形です。

ちょっと右に回してみましょうか?

錘の歯(ギザギザ)に接しているクラッチ車が右にずれて、ルビーの方の車を反時計回りに回します。反対に、左に回すとクラッチが左にずれて白ブッシュの中間車を時計回りに回すので、接するルビーの方はやはり反時計回りに回るという、錘がどっちに回ってもゼンマイを巻きあげる両回転巻き上げ式となっています。
錘を外します。

錘は、機械から羽根ように貼り出した三枚の板に引っかかる形て留まっていました。
こちらは外したジェットロータ単体です。

裏返し。

金色の輪っかが二層になってボールベアリングを挟んでスルスル回り、ギザギザ下(写真では上)の溝に三枚の羽根が挟まり込んで機械に留まっているという構造です。
錘のお話はこの辺にいたしまして、ベゼル、風防を開けますと、見返しリングが外れます。

リングの裏には切り欠きがあって、文字板との回転ズレを防止しています。

文字板の方には突起が出ていて、パチっと噛み合うと、時字と切分(分目盛り)の位置関係が合うという寸法です。

機械を取り出しまして、文字板を外しました。

国産初のカレンダー付きの自動巻き、シチズンcal.1120です。カレンダーの早送りは時針の往復(9時から12時)によって行われる初期型の仕組みです。
次回は機械の分解です。
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- 2021/06/16(水) 10:38:03|
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